みみ太郎 評価

みみ太郎 評価

 

「みみ太郎」を購入しようか否か。そう悩んだのは今から数年前のことでした。

 

 

当時の私は個人が経営している洋菓子店につとめており、主に洋菓子を製造していくパートの先輩たちの補助を仕事にしていました。

 

 

新参者ならではの雑用係でしたが、当然のことだと受け入れて不満を持ったことがありませんでした。

 

 

しかし洋菓子店につとめてから困った事が度々起こるようになりました。耳が遠くなったのです。

 

 

職場の人間が自分に声をかけている。でも言葉が聞き取れない。

 

 

先輩達から「倉庫から卵を取ってきて」や「上の倉庫から箱を持ってきてほしい」と言われても分からず、何度も聞き返すことが多くなる日々が続きました。

 

 

最初こそはそれに対してからかいの材料にしていた先輩達でしたが、私が別なものを持ってきたりパニックになってメモを取り出す様を見てどう対応していいのか分からなくなったのか、からかうのを止めて淡々と対応するようになっていきました。

 

 

実のところ、こうした事態は私にとって珍しくありませんでした。

 

 

学生時代、同級生たちに声をかけられても言葉が聴き取れずに混乱してしまい、支離滅裂な行動を取っていました。

 

 

それが要因となっていじめられるようになり、学生時代は肩身の狭い日々を過ごしましたが、そのおかげで聴き取れなくても不便ではありませんでした。

 

 

コミュニケーションを取る必要もなければ強いられることもなかったからです。

 

 

また病院に行かなかったのは経済的に負担になることや異常が見つかった際に騒がれることが嫌だったことが挙げられます。

 

 

ですが社会に出てようやく、自分の対応の悪さを思い知りました。

 

 

このままでは仕事に支障が出る。そう分かっていても、病院に行く暇はありませんでした。

 

 

実はその時住込みとして洋菓子店で働いていましたが、雇い主に「休みは店にいないでほしい。

 

 

働いている人の気が散るから」と言われ、常に実家に帰っていたのです。片道で2時間、そうなれば病院に行く時間はありません。

 

 

そこで私はまずは補聴器に頼る事にし、実家に帰る度に補聴器についてネットで調べました。

 

 

そこで見つけたのが「みみ太郎」です。高齢者のみ使用している印象がある補聴器ですが、数ある評判の中で若い人のコメントもあったことが目に留まった理由でした。

 

 

あとは購入するか否かを決断するだけですが、尻込みした私は結局決断を先延ばししました。

 

 

そうしていくうちに私は耳ではなく体がどんどん肥満体になり、肝機能障害の疑いをかけられ、そちらの治療に集中することになりました。

 

 

しかしまた耳にトラブルが起こった時、「今度こそは」と考えてもいます。